母親に小さい頃からよく言われている言葉がある。
「人の嫌がる事をするな。」
「人にした事は自分に返ってくる。」
「友達を大事にしなさい。」
という言葉だ。多分自分の兄弟はこれを何百回、何千回と言われた事だろう。
自分の母親は周りから見たら甘い母親だろう。
自分たちが何をしても大抵の事は許された。
しかし、友達を傷つけることや人に嫌な事をする事にはとことん厳しかった。
この間、後輩のストーリーの言葉を見て、感動した言葉があった。その言葉とは、
『人生は上をむいて唾を吐いているのと同じ』
という言葉だ。
自分が吐いた唾はすべて、自分に降りかかる。
愛を喰って生きれば、愛で痛い思いをする。
人のものを盗めば、自分の大切な物を盗まれる。
誰かを虐めれば、いずれ自分の家族が虐められる。
裏切る奴は裏切られる。
何に対しても、全て自分に返ってくるのだ。
誰かに対してもはもちろんだが、自分に対してもだ。自分がだらしない生活をすればだらしない結果が待っている。
母によく言われた「友達を大事にしなさい。」
友達が大事なんて小さい頃からでも分かっていた。
ただ今になって、よりわかった気がする。
ほんとに大切にしなきゃいけないのは自分じゃなくて、友達なのかもしれない。
何故なら自分が困った時、立ち上がれない時にそれを起き上がらせるのは自分の力ではなく、誰かの力だからだ。
自分が元気な時なんてなんの心配もいらない。
何事にも大切なのは、1番最悪の状態の時に立ち上がることが出来るか、立ち上がれる準備をしていたかだ。
その準備が日頃から友達を大切にする姿勢だ。
さっきは『唾』という表現をしたが、良いことだって一緒だ。
泣いている子に『飴』を差し出す。それはいつか自分が泣いている時に『飴』を優しく差し出してくれる人が現れるだろう。
唾と同じように誰かに手を差し伸べて生きていけば、いつか自分にも手を差し伸べてくれる人が現れる。
唾でも飴でも誰かにした事は回りに回って自分に返ってくる。
さっきも言ったが、母が言っていた『友達が大事』という事は分かっていた。
しかし何故、母が自分達子供にそれを言い続けたか。
それはただ、友達が大事だからというのではなく、1番大事である自分達に手を差し伸べてくれる人、支えてくれる人が出来るように言ってくれていたんだと思う。
自分も、子供が出来たら母がよく言ってくれたように、『友達を大事にしなさい。』と言おう。
いつか、自分の愛する子供が困った時に誰かに手を差し伸べて貰えるように。。。